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Unityで遊びを作ってます

【EAGLE】プリント基板を自作する 配置&配線編

前回はEAGLEを使って、LED点滅回路の回路図を作りました。

nn-hokuson.hatenablog.com

今回は前回作成した回路図をもとに、プリント基板上にトランジスタや抵抗・キャパシタなどの部品を配置していきましょう。

プリント基板に部品を配置する

EAGLEの画面上部にある「Generate/Switch to board」ボタンをクリックして下さい。

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プリント基板に部品を配置する画面に変わります。画面左下に先ほど使用した部品が全て配置されているので、これをプリント基板上にドラッグしてのせていきます。

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部品どうしを繋いでいる配線の長さがなるべく「短く」「交わらない」ように部品を配置するのがポイントです。右クリックのメニューから部品を回転させたり反転させたりできるので、いい感じに部品の位置関係を調整していきます。

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今回は上のような感じに部品を配置しました。

プリント基板のサイズを調節する

エディタの外周に表示されている黄色い枠がプリント基板のサイズです。今のままでは基板サイズが大きすぎるので小さくしましょう。部品を配置したエリアを囲むぐらいのサイズに縮小します。

基板サイズを変更するには左側のツールバーから「Move」ツールを選択して、黄色い枠をドラッグします。

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だいたいこんな感じになりました。

自動配線する

今は部品どうしの接続関係までは定義されていますが、実際の配線経路はまだ決まっていません。EAGLEには、プリント基板上の部品の位置を考慮して自動的に配線をしてくれる自動配線ツールがあるので、それを使いましょう。

まずは自動配線の設定をします。メニューバーから「Edit」→「Net Classes...」をクリックして設定画面を開いて、次のように設定して下さい。自動配線の設定ができたら「OK」ボタンをおして設定画面を閉じておきます。

名前 意味
Width 配線の太さ 50mil
Drill ドリル径 0mil
Clearance 配線の間隔 15mil

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次に、左側ツールボックスからAuto Routerを選択してください。

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自動配線をするレイヤの設定をします。ここではプリント基板の裏面に配線をするので、Topは「N/A」、Bottomは「Auto」に設定します。設定できたら右下の「Continue」ボタンをクリックします。

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全て配線が終わると、次のように配線パターンが表示されます。

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もし、配線をやり直したい場合は、画面上部の入力欄に「ripup;」と入力して下さい(最後のセミコロンも忘れずに!)。エンターキーを押すと自動配線結果が削除されます。

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ベタパターンを作る

基板上の空いたスペースもパターンで塗りつぶしておきます。これをベタパターンと呼び、通常はGNDと接続します。ベタパターンを作成することで、次のような利点があります。

  • 銅板をエッチングする面積が減り、エッチング液の節約になる
  • ベタパターンをGNDとすることでノイズ特性がよくなる

EAGLEでベタパターンを作るにはポリゴンツールを使用します。ツールバーからポリゴンツールを選択してください。

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次に配線とベタパターンの最小距離を設定します。上のツールバーから「Isolate」の値をドロップダウンリストから選択してください。ここでは「30」に設定しました。ドロップダウンリストで選択できる値以外は入力しても無効になるようなので注意です。

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このポリゴンツールで基板を囲むような長方形を書きます。少しぐらいはみ出していても大丈夫です。長方形をかけたら「Ratsnest」ボタンをクリックして下さい。ベタパターンが作成されます。

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これでプリント基板の配置配線が完成です。部品を配置して配線を決めるところまでは、最初は試行錯誤の繰り返しですが、慣れたらパズルのように簡単にできるようになります〜(たぶん)

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次回予告

次回はいよいよ、実際のプリント基板に今回作った配線パターンを転写し、エッチングをおこないます。プリント基板を自作する醍醐味の詰まった回なのでお楽しみに!
nn-hokuson.hatenablog.com

【EAGLE】プリント基板を自作する 回路図作成編

最近ではArduinoとブレッドボードがあれば、それなりの電子回路が作れてしまいます。ただ、回路を小さいパッケージに収めたい場合には「 ユニバーサル基板を使う」とか「プリント基板から自作する」とかの必要が出てきます。

ここでは、プリント基板をイチから自分で作る方法を紹介したいと思います。プリント基板を自作する手順としては、次のようになります。

  1. EAGLEで回路図を作成する
  2. 作成した回路図から基板の配置配線を決める
  3. プリント基板のパターンを転写してエッチングする
  4. 部品をはんだ付けする

今回の記事では一番はじめの「EAGLEで回路図を作成する」から始めたいと思います。

作成する回路

今回は2石のLED点滅回路を例にしたいと思います。回路自体が簡単でありながら、抵抗・キャパシタ・トランジスタなどの一般的な部品が使われています。EAGLEでプリント基板を作る練習にはなかなか良さそうなので、これを選びました。LED点滅回路の回路図は次のようになります。

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出展:www.shamtecdenshi.jp/catalog/image/pdf/flash_LED_kit.pdf

LED点滅回路の部品を揃えるのが面倒くさい方は、次のサイトからキットを購入できます。
値段もワンコインと安いのでオススメです。

www.shamtecdenshi.jp

EAGLEをインストールする

EAGLEを次のサイトからダウンロードしてインストールして下さい。

www.autodesk.co.jp

無料版では次のようなな制約はありますが、基本的に趣味の範囲で基板を自作するぶんには十分なスペックだと思います。

  • 使えるレイヤが2層だけ
  • 基板の面積は80cm^2まで

回路図を作成する

ではEAGLE上で上のLED点滅回路を作っていきます。まずはメニューから「FIle」→「New」→「Schematic」を選択して下さい。

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2SC1815のトランジスタを2つ配置しましょう。
左の「Add Part」ボタンをクリックして部品の一覧を開いてください。

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部品リストのウインドウからtransister/2SC1815を選択してください。カーソルがトランジスタの形になるので、クリックして2つ配置します。

配置したトランジスタを移動させたい場合、左のツールボックスから「Move」ツールを選択後、十字マークの部分をドラッグします。部品を反転させる場合は、トランジスタの上で右クリックしてそこから「Mirror」を選択してください。

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同様に抵抗とキャパシタ、LED、GND、VDD、入力端子を配置していきます。使用する部品はそれぞれ次の通りです。

部品名 使用パーツ
抵抗 rcl/R-EU/R-EU_0207/7
キャパシタ rcl/CPOL-EU/CPOL-EUE2.5-5
トランジスタ transister/2SC1815
LED led/LED/LED3MM
入力端子 pinhead/IINHD-1X2
VCC supply1/+3V3
GND supply1/GND

R-EUとR-USの形式がありますが、ここではヨーロッパ記法のEUを使用しています。また、選ぶ項目によって、プリント基板に実装する部品の形状や、ピンの間隔が違うのでよく確認してから選択してください。

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上の部品表を参考にして下のように抵抗・キャパシタ・LED・VCC・VDDを配置して下さい。
部品を配置する場所はだいたいで大丈夫です。

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配線する

EAGLEを使って、上で配置した部品どうしを配線して繋ぎます。配線するには画面左側のツールボックスから「Net」ツールを選択してください。

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部品どうしを次図のように接続します。配線と配線が交差している部分について、丸ポチがあるところは繋がっていて、丸ポチがないところは繋がっていないので注意してください。 あとから交差した部分を接続するにはツールボックスから「Junction」ツールを選択して、接続したい部分をクリックします。

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入力端子を追加する

最後に、電源とGNDを接続するためのピンヘッダを追加します。これまでと同様、「Add Part」ボタンで部品リストを開き、pinhead/IINHD-1X2を選択します。これが1行2列のピンヘッダになります。ピンヘッダが配置できたら、各端子を下図のようにGNDとVDDに繋げておきましょう。

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これでEAGLEを使った回路図の作成は終了です。

ちゃんと配線できたか確認する

EAGLEには、ちゃんと部品どうしが配線されたか?浮いている端子がないか?などをチェックしてくれる「Electrical Rule Check」ツールが付属します。それを使ってちゃんと配線できているかを確認しましょう。

画面左側のツールボックスから「ERC」ツールを選択してください。接続が失敗していると次のように「Unconnected pin xxx」というWarningがでます。ここではR4につながるVDDを設定し忘れたため「Unconnected pin R4」というWarningが出ています。このWarningを選択すると間違っている箇所を回路図中に表示してくれます。

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ちなみに、「Part xxx has no value」というWarningは、抵抗値やキャパシタの容量などが設定されていないという警告です。今回プリント基板を作るのには不要な値なので、無視しても構いません。

これで、EAGLEを使った回路図の作成は一通り終了です。次は今作成した回路図を使って、プリント基板上での部品の並び方と配線を決めていきます。

nn-hokuson.hatenablog.com

ここが違うよBlender2.8 (beta)

いよいよBlender2.8のベータ版が2018年の11月30日にリリースされました。Blender2.7xと比べると、UIとショートカットに大幅な変更が入っています。

最初は慣れないかもしれませんが、意味不明なショートカットが見直されるなど、非常にとっつきやすい形に進化しています。

ここでは2.7xと比べて2.8で変更になった点とその違いをまとめておきたいと思います。

頂点選択は左クリックがデフォルトに

Blender2.7xでは右クリックで頂点を選択していました。Blender2.8からは、デフォルトで左クリックで頂点を選択するようになっています。

全解除できません!

Blender2.7xでは全ての頂点を選択する場合はAキー、解除する場合はもう一度Aキーを押しました。Blender2.8からはAキーで全選択は変わっていませんが、全解除の方法が変更になりました。

次のショートカットが使えるようです

  • Alt+Aキー
  • Aキーのダブルクリック(これ便利)
  • 何もないところを左クリック

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日本語化とテンキー

日本語化はメニューバーのEdit→PreferencesからSystem→Generalをクリック。Translate UIにチェックを入れて、Languageを日本語に変更。TooltipsとInterfaceを選択します。

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テンキーはユーザ設定の入力の「テンキーを模倣」にチェックを入れます。

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Cycle RendererからEEVEEに

標準のRendererがCycle RendererからEEVEEに変更されました。これによりリアルタイムで非常に綺麗なレンダリング結果が得られます。

レンダリング結果を簡単に見るには、画面右上のLookDevまたはRender Previewボタンをクリックします。LookDevでは用意されている数種類の環境マッピングを簡単に切り替えて見れるので、結構便利です。

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ちゃんとレンダリングするには画面上部のメニューから「レンダー」→「画像をレンダリング」を選択します。

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Wキーでのメニューはどこ?

Blender2.7xではメッシュの細分化などのメニューはWキーで行っていました。Blender2.8からは右クリックでメニューが表示されます。左クリックを頂点・メッシュ選択に割り当てた恩恵(または弊害)ですね。

マニピュレータはどこ?

頂点を選択したときに表示されていた赤青緑の矢印。Blender2.8からは簡単には表示されなくなっています(笑)頂点を選択した状態で「Shift+Space」を押して出て来るメニューから「移動」を選びます(または左のツールバーから移動ボタンをクリック)

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※これでも出ない場合はスペースキーを押すと表示されます。

レイヤーがなくなった☆

Blender2.7の頃はレイヤーと呼ばれる小さなボックスで、オブジェクトのグループを管理していました。これは・・・あかん。。

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このレイヤーが廃止されて、コレクションと呼ばれるフォルダ単位での管理に変更されました。これにより、コレクションに名前をつけたり、階層構造をもたせたりと、今風のファイル管理が出来るようになっています。

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法線の表示はどこ?

Blender2.7xまで、法線情報の表示切り替えボタンはツールボックスにありましたが、Blender2.8からは移動になりました。
画面上のOverlaysのドロップダウンリストをクリックして、Normalsを選択します。
法線表示のほか、画面グリッドや、クリース、シームなどの表示もこちらから設定できます。

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スムースシェーディングボタンが無い!

Blender2.7xではツールバーにあった、SmoothシェーディングとFlatシェーディングを切り替えるボタン。これは右クリックで表示されるメニューに移動しています。

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下絵の設定はどこ?

これまではツールボックスの中にあった下絵の設定がなくなりました。
Blender2.8からは「Shift+A」で表示されるオブジェクトの追加ウインドウから「画像」→「Reference」を選んで下絵を追加します。

下絵の透過度や場所を変更するには、画面右のオブジェクトタブから「透明度」「XYオフセット」の項目を調節して下さい。
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投げ縄選択ができません

Blender2.7xまではCtrl+左クリックのドラッグで、投げ縄方式で頂点を選択できました。Blender2.8からは、Ctrl+右クリックで投げ縄の頂点選択ができるように変更になっています。頂点の選択が右クリックから左クリックになったのに、なぜ、投げ縄だけ逆に・・・!?
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法線の反転がどこにもないぞ

Blender2.7まではWメニューから法線の反転ができましたが、Blender2.8になってどこにも見当たらない・・・。と思ったら、今の所ショートカットキー(Shift+N)からアクセスできるようです。

ワイヤーフレームとソリッドの切り替え

こちらも2.7までは「Zキー」で切り替えられましたが、2.8からは「Shift+Z」で切り替えるように変更になっています(正確には直前のレンダリングモードと、現在のレンダリングモードの切り替えです・・)

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円柱や球を追加するときの初期設定は?

Blender 2.7までは基本形状オブジェクトを追加するタイミングで、分割数とか、高さとか、半径をツールシェルフで設定できました。Blender 2.8からは、円柱や球などを追加(Shift+A)したタイミングで、画面左下に設定画面が(小さく!)表示されます。クリックすると各種項目が設定できます。

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原点が設定できません!!

Blender2.7xではオブジェクトの原点(ピボット)を指定したい時は、ツールシェルフの「原点を3Dカーソルに移動(Ctrl+Alt+Shift+C)」を使っていました。Blender2.8では「原点を3Dカーソルに移動」のショートカットが廃止され、メニューも「オブジェクトタブ」に移動になりました。Blender2.8での原点(ピボットポイント)の設定方法は次のとおりです。

  1. エディットモードで原点にしたい頂点を指定する
  2. Shift+Sのメニューから「カーソル→選択物」を選ぶ
  3. オブジェクトモードに戻る
  4. 画面左上のオブジェクト→Set Origin→原点を3Dカーソルに移動を選択

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クリックで頂点を追加したい

Blender2.8でモデルの選択が右クリックから左クリックに変わったことで、頂点追加の方法も変更になっています。Editモードで何も選択していない状態で、Ctrl+右クリックで頂点を追加できます。

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テクスチャを貼る

Blender2.8でテクスチャを貼るのに必要な手順はこちらの記事にまとめています。
nn-hokuson.hatenablog.com

まとめ

この他にも、Blender2.8ではたくさん変更点があるので、随時追加していこうと思います。
まだまだBlender2.8の操作には慣れていませんが、いまからBlenderをはじめようという人にとっては、とっつきやすくなった印象です!